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花宵歌集(はなよいかしゅう)ライブ 2005.4.16 〜日吉真澄ピアノライブ with 沢木理桜短歌 コラボレーション〜 (記 光冨郁也) ↑日吉さんの手作り「花宵歌集」(収録短歌は沢木さんのもの) わたしの十年来の文芸仲間の沢木さんが歌集を出版、短歌のブログを公開したことが、作曲もするピアニストの日吉さんの目にとまりこのイベントが行われたと聞く。二人の女性による花宵歌集と題されたコラボ・ライブを町田(橋本付近)に見に行く。 夕方、会場となる和風カフェ「きび」に向かう。4月16日土曜日、午後6時45分着。入り口には案内の札やプログラムのようなものが示されている。確認し、敷地のなかに入る。普通の一軒家に見える。ほんとうにここか、と当たりを見渡す。うしろからひとが続く気配があるが、ドアを開ける。和服姿の女性スタッフが出迎える。 沢木さんが予約してくれた席だったのだが、3人様ですか、と聞かれる。実はすぐ後ろからきた二人組の女性も沢木さんが予約をいれた友人だったらしい。席には日吉ファンと沢木さんの友人たちが全国から集まっていた。ともかく席につきコース料理を注文する。板張りのふすまのある和風の部屋ふたつと廊下をつなげ、席を設けた会場。26席あるというが、わたしの向かいの席は空いている。普通のピアノがひとつ。テーブルについた席でよく見えないが、マイクは見当たらない。 わたしの腕時計で、7時少し過ぎたころ、ふすまを開け、日吉さん入場。あいさつをし、沢木さんを呼ぶ。沢木さん入場。ライブの開演。 コメントを求められた沢木さんは「表現方法は書くということで、こういう場ははじめてなので緊張しています。」と発言。 ふたりの最初のトークは、先に述べたようにマイクなしで、桜や花見などの話をした。 それから沢木さんの短歌のコメント、ひとつ目の短歌の朗読が行われた。ひとつの短歌に二回朗読を繰り返す。 曲名「さくらさく」 さくらさく 春の息吹を吸い込みて この胸の中(うち)恋桜咲く この歌は春らしい季節感のある恋の期待に満ちた歌だと思った。わたしは音を立てないように静かに食事をとった。(となりの席には沢木さんが予約した友人の2人組が着いていた。)木製の茶色いテーブルの上には、日吉さんの小さな手作り歌集がある。(写真参照)パソコンを使用して、なにか暮れていくようなきれいな風景の写真も入れて、風合いのあるこれは藤色に近いのだろうかわざと古く、縁をよれたように作ってある表紙。沢木さんの歌が収録されている。 日吉さんの「どのような時に短歌ができますか」という問に、沢木さんは「その場ですぐ自然に出来るということは稀ですね。五感の刺激を受けやすいタイプのようで、景色や日常の出来事などに刺激を受けると、歌を詠みたいと思います。」と答える。 日吉さんは「理桜さんの短歌は春夏のふいんきがありますよね。透明感のある歌をつくろうとしているようですね」と印象を語る。 日吉さんの「楽しい時はどんなことでしょうか」という問には、沢木さんは「表現したいことが見つかったこと。短歌は31文字のジグゾーパズルのようです」と答え。 日吉さんの「つらいことはどんなことでしょうか」という問に、沢木さんは「ぴったりとした言葉が見つからない時です。執筆の期限がある時もつらいです。短歌は携帯電話のメモ帳で作ることもあります。携帯を開いたまま眠ってしまうこともあります」と語る。 日吉さん「作詞と短歌は似ていますよね。短歌は音楽的でシーンが浮かぶようです」と述べる。 トークを終えると、日吉さんはピアノに向かい「Brigiht」の曲を弾く。心躍るような感じ。次に「雨の道」の曲を弾く。雨粒がはねかえるような、軽やかな感じ。きれいな曲を弾くひとだなと思った。その後も、二人のトークと短歌の解説・朗読、ピアノの演奏を繰り返し行う。気持ちのよい時間が続く。 日吉さんは人としての宿命、生まれながら背負っているもの、地球という星に生きているということ、この地球を守らなければいけないことなどを語った。 沢木さんは歌で表現したいことは、生きていることの感謝の気持ちと述べた。書き手にとって31文字の小さな世界にこめる想いは大きい。言葉をそぎおとしていく。読み手にとっては、いいすぎない、自分の中のイメージを広げる。自由に解釈できる。世界が広がるし、深いと思うと語る。 春と桜と恋をテーマにした沢木さんの女性らしい短歌の朗読と、きれいでドラマチック、ときにせつなく、ときにはかなく、ときにかろやかな日吉さんのピアノ曲はとてもマッチしていて、映画のワンシーンを思わせるような情景だった。 個人的には「愛をみつけた時」「青空に消えた恋」という曲が好きで、短歌でも 曲名「青空に消えた恋」 青空に映し出されしこの恋は ヒトリゴトのように消えゆけり が良かった。青空に恋がしんきろうのように消えていく、はかなくもきれいな歌。「青空に消える恋」の曲はこの短歌を元に作った曲だという。きれいでせつない曲だった。 アンコール曲に、1ページの短歌「月に咲く花」を観客にくばり、手作り歌集「花宵歌集」は完成した。全11曲のピアノ曲、全13首の短歌の宴だった。 最後のほう沢木さんの『恋ヲスル果実』の紹介が行われた。1年かけて作った本で、収められた作品は10年の恋をする気持ちを書いたものだと言う。10年といえば、わたしと沢木さんが交流をした年月でもあった。この本ははじめて読むひとのために、写真、縦書き、横書きの短歌の組み合わせを行ったという。 午後9時半終了。沢木さんと日吉さんにあいさつをし、サイン入りのCD「花夢」を買った。サイン入りの歌集を求めたが、もう3冊も買ってくださったのだから、気をつかわないでくださいと、沢木さんに言われる。(そのうち1冊は謹呈されたのだが)日吉さんに握手され、駅へと向かう。駅のホームで一人電車を待ちながら、わたしは10年という年月を思いつつ、春の夜に酔っていた。 「花宵歌集」コラボ・ライブ 参加者 紹介 日吉真澄(ひよし・ますみ) 5月23日、静岡で生まれる。O型。女性。4歳よりクラシックピアノを、9歳より作曲を始める。17歳の時から、ピアノ音楽を作り続ける。国立音楽大学卒業後、映画や舞台などの作曲・演奏をする。アーティストへの楽曲提供やレコーディングに参加。定期的にライヴを展開する。1999年、アルバム「Dear」にてソロデビュー、同アルバムがアジアでもリリースされる。TV・ラジオなどでテーマ曲や、ライヴプロデュースなども手がける。他ジャンルのアーティストとのコラボレーションを行う。写真展なども行う。また、二胡奏者の桑木野宏子さんと共にユニット「月に咲く花」を活動するなど、幅広く活躍している。 最新CD「花夢」ほか発売中。コンサート会場または、メールにて購入申込可能。 masumi@asahi-net.email.ne.jp Rainy Forest 沢木理桜(さわき・りお) 1月16日、神奈川で生まれる。AB型。女性。NHK全国短歌大会で97年〜99年3連続で入選。同人誌『ぽれむれたあ』主宰。作品は詩、短歌、童話、エッセイと多岐にわたる。趣味はショッピング、映画、写真、バレエ。HPサイト・ブログが人気。3月15日、新風舎より第一歌集『恋ヲスル果実』を出版。地元厚木の本屋に平積みされる。全国書店で販売。4月16日、日吉真澄さんとコラボ・ライブで短歌の朗読をし好評を得る。2006年2月新風舎・言葉の魔法・恋のショートフレーズコンテスト佳作 「キミがスキ。」に作品掲載。 berryberry〜恋ヲスル果実 *この記事は文芸誌「狼」11号に掲載されました。 |
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